狭い世界でエキスパートを語る人たち

あーはい、それ知ってる。あれも知ってるよ。あの人も知ってる。あれはダメだね。

何もかも知っていてその都度マウンティングしてくる人にはウンザリするね。そんなに何もかも知ってるなら、その知識を活かして大ヒット商品でも作ればいいのに何でそれはしないの? どうして小さなマーケットに向けた地味な商品ばかり作っているの?そして、自分の作るものだけ評価が異常に甘くなるのはどうして? あなたと話していても何も建設的なものは生まれそうにないので失礼します。

エゴサーチしたまま埋もれゆくアーティスト

 褒められたり、評価されるのは悪い気はしない。SNSは、「高評価である」という内容のツイートを自ら探しに行く。そして10人にも満たないコアなファンからの高評価を世界の全てだと思い満足する。だが、現実には実売が500にも満たない。見たい現実しか見ないで活動しているうちに次々にライバルは次々に登場し、その実力で人気を獲得してゆく。いつの間にか活動歴が長いだけの過去の人となり、理解しない世の中を恨みながら生きる。

 そんな人とは関わりたくないね。ネガティブな気分が伝染するから近寄りたくもない。自分さえよければという感覚で薄っぺらいヒューマニズムを語る点が左翼にも似ている。見たい現実しか見ないのもノイジーマイノリティとしての左翼と共通する。

SNS戦略

 プロモーション会議で「SNS戦略」とかよく言うけどさ、SNSで宣伝してモノが売れるんだったらみんなやってるよ。みんなやっててうまくいってないのは、SNS戦略が効果が無いって事じゃないか。というか、SNSしかやれる事が無いからSNSやってるだけなのをさも戦略っぽく言うのやめようぜ。無価値な情報を、謎の上から目線で垂れ流しても無価値なものには変わらないんだよ。赤の他人からしたら、そんな無価値なものに付き合う義理は何も無いのさ。

そんなに優秀ならあなたがやればいいのに

 成功したプロジェクトを評価する人間は、大体「生存者バイアス」を考慮しない。そして、「昔から自分はあのプロジェクトを知っていて評価していた」と語り、自分の優秀さに繋げる。その考えが簡単に透けて見えるから、聞いていていい気分にはならないのだが、当人はそれに気づかずただの「自分すごい人間」というマウンティングを続ける。恥ずかしくないのかな、と思う。あなたがそんなにすごい人間なら自分でそれをやればよかったんじゃないですか?他人の成功を自分の成功体験にはすり替えられないんですよ。

夕刊フジより転載

コロナ後も「ライブで食える」ためには? 音楽評論家・富澤一誠氏が緊急警告「配信ライブで個性を出すしかない」 6/22(月) 16:56配信 夕刊フジ


 国民的ヒット曲が生まれない、配信に押されてCDが売れない。そこに泣きっ面に蜂の“コロナ禍”でアーティストたちが音楽危機にあえいでいる。打開策はあるのか。音楽評論家の富澤一誠氏が緊急警告を寄せた。

  音楽でメシは食えない時代がやってきた。この現実を真摯(しんし)に受け止めて、初めてピンチをチャンスにすることができるのだ。

 ライブエンタメ・音楽業界への自粛要請が解除され、ライブハウスや通常コンサートの再開が始まろうとしている。しかし、予想以上に高い壁が待ちかまえている。

 というのは、再開にあたってはそれなりの対策を講じなければならないからだ。通常のコンサートでは3密を避けるために、1席おきに客席を封印して半分の観客動員数に収めなければならない。単純に計算すると、総入場料が半分になってしまうが、これを何かでカバーしないと赤字になってしまう。そこでライブを撮って配信して、その料金で補填しなければならないようだ。

 売れているアーティストはいい。サザンオールスターズのように、42回目のデビュー記念ライブ〈サザンオールスターズ特別ライブ2020〉(横浜アリーナ)を、たとえ無観客配信ライブでしても、横浜アリーナの観客動員数をはるかに上まわる有料配信数が見込まれるからだ。

 しかし、現実はそんな恵まれたアーティストは3割いるかどうかだ。残りの7割方の殆どのアーティストは、ライブハウスでライブを重ね、それこそ日銭を稼いで食べているのが現実である。

 その意味では、ライブハウスが閉鎖されたということは彼らにとっては死活問題だったのだ。それが再開でなんとかと思いきや、高い壁が立ちはだかってきた。

 ライブハウスは立ち見で100人から300人を収容できる規模のところが多い。椅子席にするとその半分ぐらい。50席から150席ほど。再開後は、3密を避けるために半分になるので、さらにキャパシティは少なくなり数席から100席未満となる計算だ。これではチャージバックを含めてアーティストのギャラの取り分は数万円から多くて20万~30万円か。その中にはバックアップミュージシャンのギャラも含まれている。はっきり言ってこれでは食えない。足りない分は「配信ライブ」で稼ぐしかない。とはいえ人気アーティストのように浮動票は当てにできない。加えて、配信ライブでは一体感や熱気というライブハウスの魅力が出ない。

 だとしたら配信ライブならではの「私だけのプレミアムライブ感覚」を出すしかない。コロナ後のライブとは? そこに光明を見いだすしかない。音楽でメシが食えるか? 答えは自分自身の中にある。

 凄い!答えなんか何もなくて、結局、音楽でメシは食えない時代がやってきた。というだけの話だった!(笑)

 

 

 

滑稽

 アーティストの皆さんは、自分の作るコンテンツがいかに素晴らしいかを世に伝えて、共感を得てファンになってもらい、最終的にはモノを買ってもらい金を稼ぎたいと考えています。その為にツイッターのフォロワーを増やそうとしたり、プレスリリースを出してニュースサイトに取り上げてもらおうとしたり、懸命な努力をしています。ですが、その努力の殆どは無駄なゴミ情報となって翌日には忘れ去られます。自分だけが大層なニュースだと思って発信しても、一般人にとってはまるでどうでもいい事だからです。その乖離ぶりには驚きを覚えます。自分にとってのメリットだけをダラダラと書き連ねたプレスリリース、ツイート。赤の他人にとってメリットが感じられなければ全てゴミです。そこをはき違えたアーティストの皆様が「情報解禁!」などと言って大げさに告知するのは滑稽です。大の大人が時間とコストをかけてやる事ではありません。時間は有限ですから、立ち止まってよく考えて、もっと有意義な事をするべきです。

音楽産業の突然の強制終了

 レコファン渋谷店が閉店する事になりました。何故か?CDが売れなくなったからです。売れていれば事業は継続します。継続しないのは売れないからです。事業が成立しないからです。CDは事業として成立しないのです。そしてCDだけではなく、ライブ事業もコロナにより成立しません。モノ消費もコト消費も成立しないのです。音楽は、家でサブスクリプションサービスでタダ(或いはタダ同然)で聴くものとなりました。手も足も出ないと嘆く人が多いですが、現実はいつだって正解なのです。嘆いても叫んでも与えられた条件は皆同じ。配信ライブをするなり、通信販売でグッズを売るなりするしかないのです。それでは食えないと言うなら転職するしかないのです。