仇花

 先日、ある制作会社の会議を見学させてもらいましたが、重苦しいですね。ここ数年、何もヒットが無く、負け組の会社の会議ってこんな感じなんですね。活気が無い。笑いが無い。ユーモアが無い。要約すれば、余裕が無い。「ま、これ売れなくてもいいよ」という余裕が全く無いから、必死。必死であれば解決するならいくらでも必死になればいいが、そうではないからね。必死になる事でヒットが出て金儲けできるなら、私だっていくらでも必死になる。「別に本業があって音楽は余技だから、別に売れなくたって全然構わないんだよ。それよりも、大衆にウケる事を目的にやってる」という余裕がある人が作るコンテンツの方が、面白い。売れる事に阿らないからだ。売れて金を稼ぐ事に阿らないって大事なんだ。音楽なんて、しょせん時代の仇花なんだと理解している事が大事なの。パーッと盛り上がって、一晩で使い果たすのが正しい仇花のカネの使い方。江戸っ子は宵越しの銭は持たない。そんな空気が面白いものを作る。